11/30/2009

金髪碧眼






 春の展覧会以後の人形作りは、意図したものではないのですが、ブリュが続いています。
本当は、来年・秋に向けて、手持ちの無くなったジュモーやアーティー、オリジナルなどを優先して製作しなければならないのですが・・・。

窯作業と並行しつつ、昨日から衣装に入ったブリュ・ジュン。薄いグリーンとブルーの中間の眼を入れ、最初は茶色のかつらを作っていましたが、家の中を見渡して、ふと「金髪の子がいない・・・。」。

そうなのです、私の人形には、いわゆる「金髪碧眼」の子が少ないのです。
人形を焼き上げると、まずその顔に一番合った色の眼を入れますが、ブルーの眼はあまり選びません。
水色やグリーン、オリーブがかった茶などがよく入れる色です。
ブルーは、不思議と私の作る顔には合わない時が多く、たまにブルーを入れると衣装の色がかなり限定されてしまい、なかなか私にとっては難しい色かもしれません。

それでも、メールなどの問い合わせで、「金髪で青い眼の子はいますか?」と聞かれることが、しばしばあります。
前回の展覧会でも、一番最初に売れたのが金髪碧眼の人形だったので、何故か一般的にはその組み合わせが人気があるのです。
作家さんの中には、ブルーと茶の2色しか入れない方もあり、そうなると、とても高価なペーパーウェイトの義眼も、効率よくストックすることが出来るでしょう。

人形を作る過程で、一番好きな作業が「眼を選んで入れる」ことです。それは、ちょうど命を吹き込むような気持ちでしょうか。
今は、義眼もかなりの色数があり、そのたくさんの微妙な色の中から、一番似合うもの選んでやりたいと思うと、義眼のストックがさびしくなってまとまった数をオーダーする時は、かなりの出費となり・・・まるで、新たな材料を買うために人形を手放すようなものだ、といつもため息。

けれど、ものを作る人は、皆そうなのかもしれません。
画家は、キャンパスや絵の具を買うために絵を売る。人形作りは、シルクの生地や、繊細なアンティークなレース、そして義眼を買うため!?

円高の今、イギリスポンドも下がり、ちょっとだけ義眼のオーダーもお得感がありましたが、それでも結構なものです(涙)。これも、一体一体、良い人形を作るには仕方ないことですね・・・。

 
新たに作業し始めたブリュは、茶色の髪も素敵でしたが、気分を入れ替えようと、ペールブロンドに替えてみました。
衣装は、その眼に合わせた水色がかったブルーのシルク地で。
正統派の「金髪碧眼」では無いけれど、黒髪・黒眼の私なりの、西洋への憧れを表した女の子となりそうです。