10/12/2010

私のアン・シャーリー



「赤毛のアン」といえば、女性なら大好きな本だった方が多いのではないでしょうか。
かくいう私にとっても「赤毛のアン」シリーズは、宝物のような存在。

アンだけでなく、モンゴメリの作品はどれも好きで、
全て読みました。

アンも素晴らしいですが、エミリーシリーズも負けていません!
篠崎書林の「青い城」も、何度手にとって読み返したことでしょう・・・。


二人目の子が生まれる時、入院の荷物に忍ばせていった、
アンシリーズの中の一冊「アンの夢の家」。
本の中では結婚したアンが、初めての子を産み、
その喜びも束の間、
夜明けと共に、その子が息を引きとるのです。

ジョイと名付けられた女の子でした。

なんという偶然か、その時、私にも同じことが起こりました。
次女を出産し、次の日の朝、その子を失いました。

入院中、まわりでは次々と赤ちゃんが生まれ、辛くて眠れなくて、
開いたアンの本の、同じ出来事のくだりでたまらなくなり、
先生にお願いして、一晩だけ家に帰してもらったのです。
その後しばらくは、胸がつぶれそうな・・・というより、
胸がおしつぶされた日々でした。

そんなことがあったのに、
「もう、一生本を開かない!」とは思えなかった・・・。
その後も幾度となく、頁をめくり、今に至ります。


先日、意識して作っていたわけでは無く、どんな飾りをつけようかと
この子にドレスを着せました。

「・・・アンだ!」

驚きと、後からこみあげでくる、穏やかな喜び。

飾りはもういりませんでした。
このままでいい。 どうやらこの子は、私のアン・シャーリーです。