4/25/2011

二人の赤頭巾


人形にまつわることでは、
偶然とは思えない不思議なことが、何故か時々起こります。

先日の宮崎智晴さんの個展で、気になる絵が2つ。
散々迷い、どちらを選ぶか決心がつかず
宮崎さんにもう一度見せていただくことになりました。

心の中では、新作の「カーテン」という絵に傾いていたのですが、
いざとなると、また迷いの虫がひょっこり出てきて・・・。
宮崎さんが見えるまでは、「カーテン」で9割方決めていたのに、
最後に 手に取ったのは、この赤頭巾でした。

小さなガラス絵です。

夜、この絵を眺めながら、考える。
どうして、ぎりぎりになってこの絵に強く惹かれたのか・・・。

そこで、はたと思い出したのは、その日に届いたお人形。
衣装オーダーのため、関東から旅してきた小さなお人形。
そういえば、彼女も赤い頭巾を被っていた・・・!!!



 ドイツのバールプロチャイルドという工房のお人形です。
 とても希少なのだそう。
愛らしい顔立ちの子です。
 そして、とびきり素敵な靴を履いています。



絵を選ぶ3時間ほど前に BPちゃん(この子の愛称)と対面すると、
知らないところに来て、まだ硬い表情をしていたので、
写真を撮り、話しかけて、密やかな時間を過ごしていたのですが、
その後私の心にBPちゃんが忍び込んで、こっそり作用したのでしょうか?



そうは言っても、この「赤頭巾」、
初めて宮崎さんの個展にお邪魔した時、既に有り、
「さかさま」と迷っていた作品でもあります。
そのあと、何度か個展もされましたが、 
結局最後には私の手元にやってきました。
(画像下の絵が「さかさま」)


赤頭巾ちゃん、我が家に来たかったのかな・・・
手にして眺め、壁にかけ、また眺め・・・
うん、やっぱり嬉しい。一人、満足。

こうやって絵を並べてみると、
使われている色も似ています。
二つの絵が、「久しぶりだね!」と会話しているようで、
廊下に並べて飾ろうかな。



 そして、絵の中の赤頭巾は、BPちゃんに似ています。
髪の色も、頭巾を結ぶ赤いリボンも・・・。

なにやら、物語が生まれそう。
 そして、BPちゃんの衣装が出来上がるにつれ、
新しいページ が綴られて行きますね。

赤頭巾の絵は、BPちゃんもお気に入りなのかもしれません。