9/06/2012

電話




我が家の電話は滅多に鳴りません。
この頃は、知人との連絡手段は、皆メール。
その方が、お互いに手の空いている時間に返事が出来ることもあり
いつからか、電話の役目はほとんど無くなってしまっていました。


一昨日の夜、電話が鳴り、誰だろう?と出てみると
「なっちゃん・・・元気?」と、聞き覚えのある声。
瞬時に感じた懐かしさと、同時にお元気の無さに気持ちが陰り、
どうしたのだろうと戸惑っていると
やはり、入院先からの電話。

声の主は、私が人形を作り始めた頃、
市松人形の着物を、丁寧に教えてくださり
縫えるようにして下さったNさんでした。



最初の着物は、Nさんの指導のもとに、
見よう見真似でやっと仕上がり、ほっとしたのも束の間、
「続けて2枚、3枚と縫わなければ覚えられへんよ!」との厳しい声!
 でも、その声の意味が 3枚目を縫うあたりから分かってきました。
Nさまのようには、とても仕立てられませんが
ちゃんと市松人形を全て作れるようになったことは、
私にとって 大きな宝でした。
あれから、何枚着物を縫ったでしょうか・・・!


以前から腰の具合が悪いのはお聞きしていたけれど、
救急車で運ばれ、
まさか遠方の病院に、既にひと月も入院されていたなんて全く知らず・・・
それでも、
「今月いっぱいリハビリを頑張って、大阪に帰るわ!」と
明るい声で話して下さいました。

Nさんは 私の両親よりも少し年上で、
けれどいつもとてもお綺麗になさっていて
私にはいい事ばかりではなく、
耳の痛いこともちゃんと言ってくださる 大切な方です。

着物以外でも、教わることはたくさんありました。

「今度は、杖が必要やわ・・・」との声に
なんと返事してよいかも分からず、とにかく
焦らずに無理せずに、休んでくださいとしか言えなくて
もどかしい想いで電話を切りました。

人形が大好きで、いつも応援してくださるNさんに
私からの一番のお見舞いになるだろうか・・・と
今日はプリンターで、最近作った人形の画像を印刷。

元気になられたら、また直に見ていただけますように。
そして、どなたも皆さん元気でいて欲しいです。

  


夏の名残のように、今頃また実を付け出した野菜たち。
ズッキーニのように太い胡瓜は
セラフィンでは無く、人間達の食卓へ!

今も、大阪はゲリラ豪雨が。
散歩中、雷と大きな雨粒に、急いで帰ってきました・・・。