10/18/2007

ビスクのボディ


 心待ちにしていたドイツのモールドが届きました!嬉しくて、昨日は一日鋳込み作業を・・・。


人形は、1体作るのに、顔を含めてだいたい10個のモールドを使います。焼成すると20~30%収縮するのですが、焼成前の段階なので、モールドは実際のサイズよりかなり大きくなります。

60cmくらいの人形の胴の部分など、本当に重くて、一人でかかえるにもコツがいります。最初は(今もうっかりして時々ありますが・・・)スリップを流し込むとゴムがあまくて漏れてしまったり、途中でスリップが足りなくなり、継ぎ足すとそこでくっきり線が出来てしまったり、失敗の連続でした。どれだけのスリップを無駄にしてしまったことでしょう!!


 今回は、届いたばかりの30cmと45cmぐらいのボディと、ついでにこの際抜いておこう!と60cmの人形のモールドも抜いていたので、、計6体分抜けたところで、流石に手首が痛くなってしまいました。

6体分と簡単に言っても、単純計算して30個のモールドを2回ずつ時間差で抜いたことになります。重さはかなりのものでした。

一夜明けた今日は、肩と腕全体が痛く、つくずく大変な作業だと実感(涙)。

そんな大変な作業のせいか、最近は、有名な作家さんも皆さんコンポジション(既成の)ボディを使われる方が多く、いっそ自分もそうすればどんなに楽だろう!と思います。もちろん、コンポジションにも利点はあるのでしょう。
コンポジションは頭だけ製作すれば良いことと、軽いので人形の持ち運びは楽です。
けれど、ビスクのボディの手触り、質感、そっと抱き上げた時のその重みは、やっぱり人形が「ひとがた」だということを実感させてくれるような気がします。
そう言うと、ちょっと気味が悪いように思われますが、硬質で重みのある触り心地は、人形の高貴さを表すかのようですし、同時に壊れやすい陶器であることから、大切に扱おうと気を配り、人形に対する愛情がいっそう大きくするのではないでしょうか?
ともかく、今日は久しぶりに美容院へ、髪形よりもコリコリの身体をマッサージしてもらえることを楽しみに出かけてきます。

 画像は、私が6年前初めて製作した人形です。この時は、残念なことに合うボディが無く、コンポジを使いました。
今は横浜にお嫁入りし、新しい持ち主さまと幸せに暮らしています。とても思い出深い人形です。