6/01/2009

下品ぎりぎりの美の世界


 本を読むことは、本の中の世界を旅すること・・・。

 多読では無いけれど、小さい頃から本が好きです。

好みに癖があるせいか、心の底から気に入る本に出会うのは、残念ながら稀です。
けれど、出会ってしまったら、何度もその本を読み返す・・・そのほとんどが学生時代に出会ったもので、もう20年もそれを繰り返しています。

 昔から、絵画でも文学でも、もう、あとちょっとでも出たら、「下品」という域に入ってしまうような、ぎりぎりのラインにあるものに魅力を感じるのは、何故でしょうか?
ゲテモノと美、その紙一重にあるもの。これが、私にとって惹かれてしまう、美の、究極の位置。

ぴったり収まっているものや、無難なものには、あまり魅力は感じません。

好きな作家について語るのは、どう言っても上手く表現出来ず、その作品の値打ちを下げてしまうような気がして、いつも避けてしまいますが、そんな私のおススメの下品紙一重(!)の作家の代表は、夢野久作でしょうか。

乱歩もいいけれど、夢野久作の怪しさ、おどろおどろしさは、なんだか夢の中でぼんやり見ている風景のような、独特の雰囲気。また、その語り口がすごい・・・。
高校生の時、1冊ずつ揃えた全集は、今でも本棚の特等席に並んでいます。

図書館が近いことや、欲しい本が高く、また本棚がいっぱいなこともあり、あまり買わなくなりましたが、それでもこの頃本棚の仲間入りをした、新顔の本の紹介。

街中の本屋を通った時、特集でずらりと並んだエドワード・ゴーリーの絵本を見かけてビックリ!(こんな本、子供が間違って買ったらどうするんやろ?)
その絵本の並びにあった、七戸優という絵描きさんの「箱の本」という絵本。思いっきりシュールで、ユーモラスで、まさにツボでした。
七戸優さんは、銀座の青木画廊(いつか行ってみたいと思っている憧れの画廊)で展覧会をされているようで、関西ではあまり見る機会がなさそうなのが、ただ残念。

そして、以前から気になっていた野溝七生子の作品集。これは、ほぼ20年前の初版で定価が¥7000くらいのを、古本で¥2000(!)で。
今日届きましたが、装丁もしっかりしていて、とても素敵な買い物でした。

また少し、本棚が豊かになりました。