2/10/2011

ジーヴス・シリーズと、節子さんの本


 ブログの分類に、「読了記録」というものを作っているのに、
あまり記録されていないのは、
決して本を読んでいないわけではありません。
ただ、記録すべきような本を読んでいないだけで・・・。

ということで、久しぶりに読了記録を更新すべく、
最近読んだ本のご紹介です。


この「比類なきジーヴス 」は、
イギリス文学・執事・お茶の描写多し、という触れこみを聞き、
その上、国書刊行会から出ているということで
珍しく、 まずは図書館という順番を通り越し、古本で購入。

ストーリーは、切れ者の執事ジーヴスが、少々頼りない若い主人バーティを
数々のトラブルから救い出すといったもので、
ウィットに富み、私の好きな食事やお茶の場面も多く、
なかなか楽しい1冊でした。

けれど、このシリーズを全て揃えるか?というと、
ちょっと自分の好みからは軽過ぎて、
気分転換したい時に、図書館で借りるかな・・・というくらい。
でも決して悪い読み物ではありません。



もう一冊は、珍しく、直木賞受賞作品を読みました。
大きな文学賞をとった本は、あまり読まないのですが、
これも女中さんのお話(私は、家事の描写の出てくる文章が、何故かとても好き)
ということで、すぐに図書館に予約。
話題の本ということで、予約が殺到し、
半年くらいたった今、ようやく順番がまわって来ました。


丁寧に書かれた、とても読みやすい本だと思います。
が、なんというか、読みながらも先の筋書きが読めてしまう・・・
こういう本は、他にもあるなぁ、と感じるところも残念なところ。
ただ、最終章の真実が明かされる部分だけは、
ちょっとホロリとさせられました。

これも、悪い本では無いのに、
「もう一度読みたい!」とは思わせてくれない。
なかなか、これは!と思える本とは出合えないものです。


そんなこんなですが、昨日買ってしまった本は
画家バルテュスの奥様である節子・クロソフスカ・ド・ローラさんの
「和ごころのおもてなし」という本。

元々バルテュスの絵が大好きなのですが、
その奥様・節子さんを知った時は、当時若かった私には衝撃でした。
まさに、日本女性という美しい外見、
海外の暮らしの中に、
日本で育ったご自分のテイストを上手く取り入れて
手作りの生活されているところにも
強く惹かれました。

出会いから20年以上過ぎ、
節子さんはやっぱり素敵な人だわ・・・と、
私も更に日本の良さが分かるようになりました。

バルテュスが暮らし、今も節子さんが守る「グラン・シャレ」は
創意工夫に満ちた、「愛され、生きている家」の代表のように思われます。
ここ数年、節子さんの暮らしぶりを綴った本は多く出版され、
重複している内容も多いのですが、ぱらぱらとめくり、レジへ。
これは、手元に持っていたい・・・
やはり、心豊かになれる本なんです。

今晩は、眠りの波が訪れるまで
この本をゆっくりと眺めながら過ごすことになるでしょう。