昨日の夕飯時に、週に2度コンビニの早朝バイトをしている娘が、
「今日、お店にマダムが来た。」とポツリと言いました。
えっ、マダムっていうのは一体、どういう人のこと?と聞くと、
「美しく老いた人」と。
涼しい顔で定義する娘に、皆つい笑ってしまったのですが、
なるほど、マダムとは、美しく老いていく人のことか、
上手いこと言うなぁ、とちょっと感心しました。
実際、こういう人に出会うのは、稀です。
いろんなタイプの美しく老いる人がいるだろうけれど、
肝心なのは、それが自然であることではないでしょうか。
きりっと銀色の髪を結い上げ、身に合った細見のスーツの背筋もピンと伸び
振り向いた口元の赤い色も、その人の歩いてきた年月を表すようであって
どれも決して、取って付けた感の無い人。
・・・いや、先日銀行ですれ違った人のことなのです。
品があり、ほれぼれとするようなきりっと美しい女性でした。
また全く逆の、ゆったりとした雰囲気を持つ、やわらかな美しさも当然あるだろうし、
十人いれば十通りの美しい老い方があるのでしょう。
最近、髪の中に白いものを見つけるようになってきて、
性格的にマメに染めるなんて出来ないだろうし、
だとすれば自然に任せて行くのかなぁ…と考えるのですが、
徐々に髪が斑になって行く年月を思うと、
よほど髪以外の部分には気を付け、過ごさなければいけません。
どこか緊張感を感じている状態も、とても大事な気がします。
で、話は元にもどり、
コンビニに早朝やってきたマダムのこと。
「シナモンとかナツメグとか、無いのかしら?」と聞かれ、
急いで売り場に見に行ったのですが、置いていなかったそうで
そう伝えると、残念そうなマダム。
「そういうものがあると、ほら、お料理が広がるでしょ?」
コンビニのスパイスは、せいぜい塩・胡椒くらいだもんねぇと話しながら
バイト先で繰り広げられる人間模様を垣間見せてもらうのが、
結構楽しみな私です。
*
今日は病院へ。
1週間経ち、眩暈にあまり変化はありませんが、
自分自身がそれに慣れてきて、気持ちは明るくなっています。
夜中に起きてトイレに行く時が一番大変で、
まるで座頭市のような状態で家の中を彷徨っています(苦笑)。
まあ、先生の仰った通り、ひと月は我慢して様子をみなければ・・・。