6/07/2013

お気に入りの友達


 

 くまさんを抱っこさせてみると、人形もなんだか嬉しそうで
 思わずデジカメを構えてしまった午後。

私も、縫いぐるみが大好きな少女でした。



小学生の頃は、就寝前に枕の周りに、
縫いぐるみをずらりと並べて眠ったものです。
どのこも大切にして、もちろんお気に入りはあったのですが、
えこ贔屓すると、きっと他の縫いぐるみ達が恨むだろうと、
語りかける言葉にまで気を遣い・・・

「こちらの想いは縫いぐるみに伝わる」と信じて
全てに平等にと接していたのですから、
思えば、子供にしては肩の凝ることでした(苦笑)。


そして未だに、自分の作る人形に対しても
やや似た気持ちを持ち続けています。
ひとつ違うことは、本当に皆に愛情を持てることでしょうか?



 


娘が2歳くらいの頃、トナカイの縫いぐるみが大好きで
いつでもどこでも一緒。

最初は、親心にそんな姿がかわいくて笑っていましたが
そのうちに、外出から帰るたび、
やれ本屋さんに置いてきただの、スーパーに忘れてきただの・・・
すぐさま取りに行くはめになり。

一番神経を擦り減らしたのが、旅に出た時。
その時は無くすともう、再会することはほぼ不可能でしたから
周りのもの皆で目を光らせました。

こんな苦労をするのなら、お気に入りの小さな友達は作るべきでは無かったのかも。



 


 けれど、娘の部屋に今もちょこんとあるトナカイを目にすると
成長した娘の、過ぎ去った年月が凝縮されているようで、
なんだかいとおしかったりするのです。


まあ、こういうお気に入りが2,3個あって、スペアがあればいいのですが、
 かなしいかな、お気に入りとは大抵ひとつきりのもの。
だから、特別なのですよね。


「ね~、クマさん!」


 真ん中の縫いぐるみがトナカイの通称「トニー」。
ご想像通り、トナカイから徐々に訛って?トニーとなりました。
母が昔、「ダニの宝庫」と言っていましたが・・・




私のお気に入りだったおサルは、先代の愛犬がよく、中から綿を出すのに興じて
そのうちに無くなってしまいました。
 今もあれば・・・あっても良かったかも、などと
こんな日には思ったりします。