3/29/2017

ブロンテ三姉妹の抽斗





 ブロンテ姉妹関連の本とあって、図書館に予約していました。

タイトルにもあるように、
ブロンテ姉妹が愛用していたものをはじめ、
当時の暮らしを取り巻く事柄が作品と絡めながら紹介されている
ファン必携の本でした。 








ヴィクトリア時代の習慣についても、初めて知るようなことがいろいろとあり、
一番驚かされたのは、クロスライティングという手紙の手法。

当時は郵便料金が高かったため(しかも、受取人が支払う)、
一枚の便箋で済ませるために、
続きをクロスして書くことがよくあったそうなのです。

雑な筆跡だと、読めたものではないそうで・・・
そりゃそうでしょうねぇ。

下のクロスライティングは、美しく書かれていますが
それでも慣れていないと読めません!








 ブロンテ姉妹というと、断然一番上のシャーロットの作品が好きなのですが
エミリーの「嵐が丘」は、読んでいるとムカムカしつつも
何故か惹かれるんです。

人と交わることを嫌い、荒野をひたすら歩くのが好きだったエミリー。
 人物的には、一番魅力を感じました。

この本によって、嵐が丘とエミリーがぴたっと重なり、
今度読み返す際には、更に深みを増すだろうという予感が。





 





 これは今回のものではなく、手持ちの本からですが・・・

上の犬の絵は、エミリーによるもの。
下の三枚はシャーロット作。

当時は、このようなことも婦女子の嗜みだったらしい。
 










ブロンテ姉妹は、元々は全部で六人。

長女と次女が十代で早世し、残る三姉妹と長男のブランウェルの四人で
幼い頃より本に親しんで成長しました。

けれどその後、ブランウェルの死を皮切りに
エミリーとアンが相次いで結核で亡くなってしまいます。
その間、わずか八ヶ月。

残るシャーロットも数年後に38歳で世を去り、
それぞれの作品が少ないことが、かえすがえすも残念。 
ブロンテ全集も、手に入れるのが難しい。

来年はエミリーの生誕二百年なので、どこか全集出してくれないかなぁ・・・!